昨年放映されたFateシリーズのアニメ『Fate/Apocrypha』。
ここ数日、アニメ、映画などの感想を続けて書いているので、その流れでこれの感想もまとめておくことにしました。
サーヴァント14騎+ルーラー+ジークの複雑すぎる物語構造。
でも、めげずに見続ければ深い感動に出会える、stay nightやzeroと並ぶ良作です。
ただ、アニメだけだと説明不足な感もあるので、原作未読のかたは、一話見終わるごとに感想まとめサイトに目を通して情報を補完すると理解しやすくなるかと思います。ネタバレを見ないように注意する必要はありますが。
わたしは「あにこ便」を使いました。
ufotable制作ではないので作画が荒いという声もありますが、グリム童話に出てきそうなお城を中心とするこの世界観を描くなら、A-1 Picturesのやさしい絵柄が妥当だったのではないでしょうか。
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全体の構造としては『Fate/Zero』と似ていますね。
でも、群像劇の複雑なストーリーをたどるなかで視聴の支えになってくれるのは、赤のセイバーとそのマスターである獅子劫界離の絆の物語です。
随所に差し挟まれるこの二人組の爽やかでわかりやすい成長物語が、Zeroにおけるライダー(イスカンダル)・ウェイバー組のエピソードと似た役割を果たしているのです。
もしZeroが主人公の切嗣ばかりに注目して話を進めていたとしたら、重苦しくてたまらなかったことでしょう。
Apocryphaでは、主人公のジークが最初は聖杯戦争の当事者ではないため、彼に主人公としての魅力を感じられるようになるまで結構な話数がかかります。それまでの間をつなぐのが、赤のセイバー組の物語になっているんだと思います。
ちなみに、現在放映中の『Fate/EXTRA Last Encore』は家のテレビで毎週録画していますが、まだ観ていません。
Netflixの1か月無料お試し期間中なので、それが終わってからまとめて観るつもりです。
今は動画配信サービスでないと見るのが難しい過去作を優先して見ることにしています。アニメ『ポケットモンスター』の無印編とかw
以下、詳しい感想を。
放映中に随時投稿していたツイートを加筆修正してまとめです。
ネタバレばかりなのでご注意を。
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【10話・花と散る】
逸話までなんとなく知ってる→
・ルーラー(zeroキャスター絡みで。あと、魔法少女たると☆マギカ)
・赤のセイバー(snセイバー絡みで)
・赤のライダー(語源として)
・赤のキャスター
・黒のバーサーカー(しかしイメージと違いすぎる)
・黒のアサシン(イメージとry)
名前は知ってる→
・赤のバーサーカー(世界史でやったのに詳細は忘れたwww)
・黒のセイバー
・黒のランサー(世界史ry)
誰それ?→
・赤のアーチャー
・赤のランサー
・赤のアサシン
・黒のアーチャー
・黒のライダー
・黒のキャスター
って感じで最初は???だったけど、10話まで観てきた今となってはもうサーヴァント全員が魅力的でしょうがない。
一方、主人公のはずのルーラーとジークくんに一向に感情移入できないのはちょっと辛い。描写が少ないのもあるけど。
ジークくんは、誰かを助けたいからといって非力なのに戦いの場に出てきて(結果的に足手まといになって)しまう無謀な愚か者に見えて苦手なんだろうな。
本家stay/nightの士郎も最初は嫌いだったし。「セイバーは女の子だから戦っちゃ駄目だ」って、君さっき殺されたばかりだろ、と。
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10話でフランちゃんが早期退場してしまったのは残念だけど、正直ホッとしたw
唸り声ばっかりあげて、いつか声優の野中藍氏の喉がつぶれてしまうんじゃないかと心配でw
【13話・最後のマスター】
第2クールスタート。
オープニングのシェイクスピアさん、無駄に(←失礼)かっこよくないですか??彼だけ尺が長い気がするんですけどw
そしてopにいない王様とヴラド三世とフランちゃん。二期に登場しないの確定なんですね(泣)
フランちゃんはともかく、ヴラド三世は最重要キャラクターの一人だと思い込んでたので(´;ω;`) だってルーマニアですよ!?
Fate/Apocrypha第1期の個人的な感想まとめ:
舞台ルーマニアなの? あ、ヴラド三世出てくるのか。ドラキュラ伝説やりたいのかな?
↓
ヴラド三世、1期で使い捨てられたああああ! 王様あああああ!
2期にルーマニア要素があるのかすごく気になります。
そういえば、スパルタクスもopにいなかった。完全に忘れてた。ごめんスパさん。
【17話・トロイメライ】
ジャックだけで3話使うのか。
たった1話でやられちゃったうえに、デートシーンの背景の看板にさせられてしまった吸血鬼の王様とは。。。
17話タイトル「トロイメライ」、テレビの番組表で「トロイ」だけ見えて、このタイミングでトロイア戦争やるの?ジャック・ザ・リッパーどうするの?とか思ってた
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冒頭、「今から私たち、囮になるんですから!」のジャンヌのウインクがやばい。やばすぎる。これは惚れる。
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ジャンヌの言うジークの成長ってどこに表れてるんだろう。
「他人を助けたい」という動機で動いているのは割と最初からでは。
8話の時点で、同胞のホムンクルスを見捨ててはおけないという理由で戦場に戻ってきたのではなかったか。
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人類は弱者を消費して強者が前に進むというシステムを歴史の構造として受け入れている、という四郎の指摘は鋭い。
ジャック・ザ・リッパーがまさにこのシステムの被害者だ。
現代にも続いているんだろうな……。
【20話・空を駆ける】
ゴルドおじさんが素敵。おじさんの成長物語は良いものですね。
タイバニの虎徹さんとか。
もう自分も年を取ってしまったから、この年齢になってもまだまだ成長できるんだって思いたいんだろうな。
ジークの成長ぶりがわからないって前に書いてしまったけど、ジャック関連のことで彼が驚異的な成長を強いられたのはすごくわかった( ;∀;)
しかし、彼はいま何のために戦ってるんだろうなぁ。人類の救済(!)を止めるために戦う意味をどこに見出だしているのか。
ただ、ゴルドおじさんもジークも、ある出来事をきっかけに彼らが成長した事実はわかっても、何を考えてどういう葛藤を経て成長したのかは実はよくわからない。
視聴者が自分の頭で考えて補完する必要がある。
アニメの限界か。群像劇だからキャラ一人一人の心理描写に時間かけられないし。
ゴルドおじさんやジークの思考プロセスをたどるための材料はたくさん提供されているから、わからないわからないって言うのも恥ずかしいんだけども。
いま「アニメの限界」と書いたけど、逆にアニメでこそ可能な心理描写もあったはず。
たとえば、映画Heaven's Feelにおける慎二の描かれ方。一瞬だけ映る彼の表情、声色の変化は心に沁みて、彼がその瞬間に何を想っているのか理屈ではなく感覚で伝わってきた。
#Apocrypha ではまだその感覚が来ない。
なんかいろいろ文句をつけてるみたいになってますが、やっぱり面白いんですよ。面白いからこそ、ここが物足りないのが惜しい!っていう感じなんです。
とりあえず本日のハイライトはセミ様の「死ね」でしたw
四郎の「だからこれは必要な行為です」、シェイクスピアの「本日二度目ェ----!」も笑った。
シェイクスピアさんをよく理解している四郎さんw
おシェイの声優さん、真アサシンと同じかたなんですよね。真アサシンのイケボからは想像がつかないw
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トゥール「ジーク、その名の通りお前のもとに勝利があらんことを」
ジーク(Sieg)って「勝利」の意味だったか。ドイツ語選択だったのに忘れてたw
ジーク・ジオン!
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15話の「全神経、全細胞、全筋肉…全魔力を使ってやるさ」という四郎の台詞、筋肉???ってすごく違和感があったんですが、
脱いだらすごかった
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女帝様が戦う相手のこともサーヴァント殿、マスター殿って言ってるのが好き
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女帝様は「サーヴァント共」「マスター共」とおっしゃっていたらしい。ですよねー/(^o^)\
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アキレウスの攻撃開始と一緒に始まったBGMって初出?
かっこいい。うねるストリングス。すごい勢い。
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20話ラスト。
え、そのヘヴンズフィール出ちゃうの
【23話・彼方へと】
23話感想
・モーさん「このエラ呼吸!」→え、そこ煽るの?w
・しがない一流作家さんが監督兼助演→映画『KOTOKO』の塚本晋也監督的な?
と、茶化さないと涙腺がゆるむのを止められない回。獅子劫さんみたいな人間性を手に入れたい。
「お前が分かってないなんてことはないさ。ただ見えてないだけだ」
【24話・聖杯戦争】
「やっちまえバーサーカー!」
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stay/nightイリヤの「やっちゃえバーサーカー!」のオマージュなんだろうけど、雰囲気が全然違う。かっこいい。
こんなにヒーローを張ってるバーサーカーは初めてな気がする。snもzeroもバーサーカーはどちらかというと悪役だから。
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救済されるジル
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これはzeroへのオマージュか。声優の鶴岡聡氏はスパルタクス役よりもジル・ド・レェ役をメインにクレジットすべきではないかw
「主は全てを赦し、あなたが殺した者は決して許さないでしょう」はジルにかける言葉としてふさわしすぎると思う。
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Fateシリーズの「聖杯」は全人類を救済するという願いと相性が良すぎるのか。
ちょっとおなかいっぱいw
切嗣、天草四郎、黒キャスター(彼は聖杯は不使用だけど。彼と四郎の願いの共通性は掘り下げられてもいい気がするがあまり見かけない)。
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カウレスくんの第二の主人公感がすごいんだけど、姉ちゃんはどこに行ったんだ(わたしは原作未読です)。もしもフィオレが主人公のピンチに割って入って助けにくるなら、第二のヒロインだと思っていたフィオレが実はヒーローってことになって……何それ燃える
(※結局、フィオレはあの時点で戦線離脱していたらしく、エピローグまで出てこなかった。読み違えたぜ)
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主人公サイドは憎しみを超えて戦うものというのが相場。
しかし、ジークは、誰も憎むことなく神と人類への愛を貫いた女のために、初めて覚えた憎しみを力に変えて、憎しみを捨てた男に立ち向かう。
熱い。
憎しみは少なくとも人の成長には必要な感情なのだろう。
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セミラミスが実は生きているのは、前回23話でモードレッドがきちんと彼女の消滅を確認しなかった時点で勘付いていた。
そして、公式ページのキャラクター紹介にモードレッドのコラムは追加されたのにセミラミスのコラムが出てこなかった時点で確信したw
まぁ、モーさんにしてみれば、セミラミスの消滅を確認するよりマスターの側にいてやりたかっただろうから仕方ない。
自分の本当の願いに気付いた時点で、セミラミスに勝ってマスターと添い遂げ(?)られればよかったんだろうし。後のことは他のやつらに任せられるという信頼もあったのか。
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ジャンヌがジークを好きになった理由がわからなくて、アニメの描写不足なんじゃないかと思ってたけど、よく考えたら現実の恋愛だって恋に落ちた理由なんてわからないよねw
単にそばにいるうちに惹かれたと。それでいい。
恋を知らないうちに戦いの場に身を置いた、恋愛経験値ゼロの少女らしい。
ジークの勇敢な姿は客観的にも魅力的だしね。