わたしの所属する合唱サークルでは今月末に定期演奏会を開きます。つまり、もうすぐ本番、練習も佳境です! この間の練習で定演用の曲のひとつを通しで合唱したとき、ボイストレーニングの先生が全体に向かってこうコメントなさいました。
「表現力が足りない」と。
ぎくりとしました。
わたしはその通しのときに、自らのうちにこもる思いを感じていました。この箇所はこういう意味があるのだろう、とと。その曲は、人間が高みを目指しながらも堕ちていってしまう姿、それでも高みを焦がれるいのちの姿を問う歌です。だから、歌のことばを自分の生き方に即して考えながら歌っていましたのです。
しかし、その思いを外に向かって表現しようという、歌い手として一番肝心な態度には欠けていました。
わたしが歌うのは、決して届きはしない、それでも祈らずにいられない祈りを祈るためです。
でも、祈りは解き放たないと意味がないのです(>_<)
また別の話なのですが。
サークルの関係で(チケット交換という制度なのですが)、ある大学の合唱団の演奏会を聞きに行くことになりました。今までいわゆる合唱曲というのにはほとんど馴染みのなかったわたしには貴重な機会です。
そこで、谷川俊太郎の詩を基にしたことば遊びの合唱組曲「十ぴきのねずみ」を聴きました。曲ごとにそれぞれ雰囲気も違っていますし、とても楽しい歌です。パンフレットにも「『歌』で『遊ぶ』ことの楽しさ」とありました。
そのときに、祈りでない歌もあるんだことに改めて気付きました。
純粋に楽しんで歌う歌、会場のお客さんと一緒になって楽しむ歌。
合唱するの楽しいけど、そういえば最近、歌うことそれ自体を楽しいって思ったこと、なかったなぁ。
わたしはこれからどんな歌を歌っていくのだろう?