アスファルトにも
たんぽぽが咲いてる
となりには
あなたのあったかい左手
「時は春、すべて世は事も無し。」
それなのになぜなんだろ
死にたいなんて思ってないのに
ほっとするのは
丸ノ内線のホームドア
目を開け直したら
空はちゃんと青いのに
またいつの間にか
灰色になってゆくんだ
そんな春の日。
あったかくなったから
毛布はいらないね
寝返り打てば
あなたの広い背中
「The Lord is my Shepherd, I never shall want!」
それなのになぜなんだろ
愛されてるって知ってるのに
あなたはまるで
くらやみにどろりと溶けてく影
目はどうしたって
閉じることができなくて
またいつの間にか
涙がこぼれてるんだ
そんな春の夜。
絵に描いたようなしあわせな日々のなかで
置いてけぼりのように思ってしまうの
そんなわたしを誰かが叱ってる
目を開け直したら
空はちゃんと青いのに
またいつの間にか
灰色になってゆくんだ
そんな春の日。