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Pokémon GOのAR写真とか。アニメの感想とか。たまに難しいことも。不思議ちゃんの新婚生活13年目@東京をまったり記録。

映画『KOTOKO』(ネタバレ注意)

今日の私はだいぶ弱っているようだ。

私のアパートの目の前は、地元では有名な桜の名所なのだけど、病院に行くために家のドアを開けて瞬間に目に入ったのは、桜ではなくてブルーシートと大量の人ごみのほうで、花見に行く気は(もともとなかったけど)完全に失われた。

なので今年は花見を諦めて、前売券を買っていたこともあり、Coccoさん主演映画『KOTOKO』を観に行くことにした。続きは備忘録。

14時40分の回。3分の2くらい座席が埋まっており、この映画の反響の高さ(Coccoファンの多さ?)に驚いた。

・表現としては素晴らしいと思うけど、琴子(Cocco)ってたぶん統合失調症(ではないにしても、心の病)だし、誰かもっと早く病院連れて行ってあげろよ薬で少しは良くなるだろ、とツッコミたくてしょうがない。自分の精神も不調になりかけているらしいから、余計にそう思う。

・思ったより流血シーンが多かった。苦手な人はだめかもね、これ。

・でも流血シーンは意外とギャグ。田中が慌てふためくと(塚本監督)ころとかは会場から笑いが漏れていたし。

・琴子が人に暴力を加えるときに見せる表情が艶っぽい。ナンパしてきた男に「帰りな、働け」のところとか、田中に「やりすぎた?」のところとか。

・一緒に見た旦那には理解できなかったようだけど、わたしには「知らない所で知らない人に引き摺り回されるのは嫌だ」と言う琴子の“愛情”が良く分かる。その独善的とも盲目的とも言える、何とかして私が守らなくてはという必死な愛情は、乳幼児が全面的に母親を頼るところから来るのかな。男の人にはわからないのかもしれない。

 でも、ラストシーン、琴子がいなくても成長していた息子の姿が登場したように、トルストイの「人はなんで生きるか」で表されているように、親はいなくても子は育つ。「あなたはもう自由なのだ。または きっと 最初から あなたは自由だったのかもしれない。私も。」(この映画に合わせて出版されたエッセイ集「コトコノコ」より。)

 “普通の”お母さんたちは、「知らない人に引き摺り回されるのは嫌」という愛情と、「あなたは自由」という愛情をバランスよく保とうとしているのだと思う。

・さて、私も出産適齢期なわけだけど。どうなるんだ?

<5月前半、2回目>

リピータープレゼントのカットフィルムをもらうため、再度観に行きました。

二度目で慣れたのか、映画館が音量の設定を変えたのか、あまり大きな音で驚かなくなったように思います。

また、二度目で慣れたのか、自分の体調が悪化したせいなのか、琴子の行動が突飛だとはあまり思わなくなりました。

世界が、知らない人間たちが、悪意で満ちているように見えてしまうこと。

弱っているときには、ほかの人には些細に見えるような言動に揺り動かされてしまうこと。

旦那は前回観た後「田中は琴子の妄想の産物だったのでは」という見解を示していたので、今回は「本当に妄想なのだろうか」というところも気にして視聴。

確かに、妄想とも現実とも受け取れるように描かれているように感じられました。監督、うまいなあ。

観客の入りはそれなりに良かったのですが、前回と違い、笑えるはずのシーンでも笑い声がなかったのが残念。スクリーンで映画を見る醍醐味は、他の観客との一体感だと思っていたのですが。