「夏休みの目標:映画を見る(笑)」というわけで、早速DVDを何本も借りてきています。
昨日見たのは『ALWAYS 三丁目の夕日』です。新作なので料金高かったです(T_T) 渋谷のTSUTAYAは他のTSUTAYAと比べても高かったりしないですか…?
『ALWAYS 三丁目の夕日』は、今学期に受けた様々な授業で言及があって興味を持ちました。それぞれ全くかかわりのない授業なのに、どの先生方も、「昭和」の話をするときに決まってこの映画を持ち出してくるんですよ。
どうやらこの映画、昭和33年(1958年)の東京を舞台にしており、昭和30年代がどんな時代だったかの好例であると同時に、その時代が今ノスタルジーの対象となっていることの好例のようです。
で、実際に見てみた感想は・・・
素直に感動しました(>_<)
ひとのこころのあったかさっていいなぁ、って。あと、昭和っぽい背景全てに。これ、どこまでセットでどこからCGなんだろう(笑)建設中の東京タワーとか路地裏の土ぼこりとかすごいですね。
特にほろりときたのは最後に出てきた小雪さんの薬指を見て微笑む仕草と、ラストシーンの一平くんの台詞、「明日だって、あさってだって、50年先だって、ずーっと夕日はきれいだよ」ですね。
人の心の温かさや未来の輝かしさをまっすぐに信じられることに心を動かされたのだと思います。
また、テレビがうちに来るというのは印象的なシーンですよね。近所の人がたくさん集まってきて、みんなで力道山の空手チョップを見て興奮しています。テレビには幕なんてかかっていて、恭しく扱われていて。
放送論の先生によると、テレビ放映が始まったばかりで、テレビに希望があった時代なんだそうです。作り手の側も、夢を持ってテレビを新聞などから自立したものにしようとしていたようです。『ひょっこりひょうたん島』(1964年放映開始)などにそれが表れているとか。
もちろん、昭和33年がこの映画で描かれているくらいに「良い時代」だったのかはまた別の話でしょう。
2006年を生きる若者としては、「昔は良かった」なんて軽々しく言われてはちょっと癇に障っちゃいますよ!(笑)
この映画だけで見ても、うがった見方をすれば、頑固親父が平気で暴力振るうことだってあったのでしょうし、「口減らし」や「身売り」という言葉がリアルだったのも怖いですし、お金持ちはやっぱり心が貧しいみたいじゃないですか。
また、授業で聞いたことなのですが、この映画には「におい」と「政治」がないのだそうです。この時代の東京はゴミや犬のフンで臭くてたまらなかった。そして、岸信介が首相だった時代で、反岸・反安保にみられるように政治はかなり暗くてどろどろしていたようですよ。
どんな時代も多面性を持っているもののはずです。
それだからこそ、今がいい時代だってわたしは言いたいです。
年金問題や環境問題があって、とても「未来は絶対明るい」なんて言い切れないような時代でも。
ご近所づきあいが疎遠なのが(少なくとも都心では)普通で、他人の心を信じるとどんなトラブルが起こるかわからないような時代でも。
「明日だって、あさってだって、50年先だって、ずーっと夕日はきれいだよ」と。
最後のこの台詞があることで、この映画は実はノスタルジーを描いたのではなく、現代にも同じ希望がありうることを描いているんじゃないかという気分にさせられました。