・3日、花畑牧場が新商品「天使のポテト」を発売後に森永(おそらく)から「“天使”はうちの商標」と言われて泣く泣く廃棄した話がテレビで放映
・4日、井筒八ッ橋本舗が聖護院八ッ橋総本店を創業年に根拠がないとして不競法違反で提訴
次回の商標法・不正競争防止法の講義を聴ける学生が羨ましすぎます!!
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番組では「某大手製菓の弁護士さんから電話があった」としか言われていないので森永だという確証はありません。
ですが、「天使 商標」でGoogle検索すると、森永製菓株式会社を当事者とした「天使のチョコリング事件」なる知財高裁判決が出てくるんで、ほぼ間違いなく森永でしょう。
「明治おいしい牛乳」とその対抗商品「森永のおいしい牛乳」が共存しているこの世界で、
いくら森永の「エンゼルパイ」やエンゼルマークが有名だからといって、
「天使のポテト」や「天使のチョコリング」が止められてしまうとは。
不当きわまりないようにも見える状況ですが、商標というものの意義を知ると一応は納得がいくような気がします。
これは商標法の授業の導入にもってこいの事例なんではないでしょうか。
自他商品識別機能とか。
出所表示機能とか。
自分はロースクール修了して2年経って、その間ほとんど法律の勉強をしていないんで、ほとんど忘れてしまいましたが[E:coldsweats01]
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井筒八ッ橋本舗は文化2年(1805年)創業で、聖護院八ッ橋総本店は元禄2年(1689年)創業とされているとのこと。
東京もんにはどちらも十分すぎるほど老舗に見えるんですけどね。江戸時代ということでいっしょくた、というか。
ちなみに、京都の老舗の法律トラブルといえば、かばん屋さんの「一澤帆布事件」。
調べてみたら、創業年は明治38年(1905年)なんだそうです。
まさか、1689年と1805年で争う根っからの京都人は、創業から百年あまりのお店なんて老舗扱いできなかったりするんですかね?
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一澤帆布事件は相続法の教科書で紹介されているのを見たことがありますが、天使のチョコリング事件はどうなんでしょう。手元に商標法の教科書がないのが残念です。
そして、今回の井筒八ッ橋本舗事件はどうなりますかね。まずは判決まで行っちゃうのかどうかってところですが。
法律トラブルっていうのは傍から見てると本当に面白いものですよね。うふふ。
わたしは今日も下衆です。どうもすみません。
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【参考】
2018年6月3日放送 TBSテレビ「坂上&指原のつぶれない店」
第4問:田中義剛が、日本を飛び出し『アジアのチーズ王』になって荒稼ぎ!?【後編】
http://www.tbs.co.jp/tsuburenai-mise/onair/onair_contents_20180603_4.html
田中義剛、商品のネーミングミスで1億円以上損「発売して10日ぐらいで…」 : スポーツ報知
2018年6月3日
http://www.hochi.co.jp/entertainment/20180603-OHT1T50176.html
「八つ橋」創業年巡り提訴 「井筒」、競合の老舗相手に :日本経済新聞
2018年6月5日(火)付 夕刊 社会2面
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20180605&ng=DGKKZO31374810V00C18A6CC0000