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Pokémon GOのAR写真とか。アニメの感想とか。たまに難しいことも。不思議ちゃんの新婚生活13年目@東京をまったり記録。

漫画「東京アンダーグラウンド」(1998-2005)感想:22人ものキャラがそれぞれ魅力的な少年漫画

2022年2月、断捨離中に発掘したのを機に再読。
思い切って売り払うことにしたので、その前に再読記念に感想を書いておきます。ネタバレありです。

高校時代(約20年前!)にクラスメートから借りて読み始め、8巻からは自分で購入して最後まで読みました。
今回、再読に当たって7巻までネットの古本屋で購入してきました。売っていてよかったです。

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いわゆる能力バトルものの少年漫画。
と言ってもあまり科学的な話は出てこず、主人公が気合でパワーアップして勝つ展開も結構あります。少年漫画らしいですね。

ただ、水の能力者が雷の攻撃を純水で防いだり(第4巻第23話)、風の能力者が炎の攻撃を「空気の断層を生み出し熱の伝達を最小に抑え」て防いだりする(第11巻第62話)など、科学的にもっともらしい理屈が説明されることも時々ありました。

だからこそ納得行かないのがラスト。
ヒロインの2人(チェルシーとルリ)がなぜ助かったのか、全く説明がなされないままのハッピーエンドは、正直に言って興ざめでした。

作者自身があとがきで「残りの話数が少なくなるにつれて、ページ数が足りなくなり、駆け足気味になってしまいました」と述べているので、ページ不足ゆえの描写不足だったのだと思います。

第14巻(最終巻)第82話のシャルマ対ダイオン戦もちょっと説明不足ですかね。たぶん涙を凍らせてダイオンの額に撃ち込んだんだと思いますが。なぜ涙だけが「腐」の能力の影響を受けなかったのかが、いまいち納得いかないところです。

あと、よく指摘されているところですが、絵柄の変わりようはすごいですね。面白いぐらいコロコロ変わっています。回想シーンで昔の絵柄のキャラクターが出てくると、これ本当に同じキャラだっけと一瞬戸惑ったりするほどです。

でも、なんだかんだ言って面白く読んだ記憶があるんですよね。
それはたぶん、キャラクターが魅力的だったからだと思います。
この話、登場人物がとても多いんですよ。最終巻のピンナップには22人(+陰兵2人)も出てきます。でもその一人ひとりにきちんとストーリーが用意されていて、キャラが立っているんです。
よくよく思い返すと心理描写が若干浅い気もしますが(たとえば、シエルがルリとの脱出を決意するまでの過程など。ルリと心を通わせるまでがちょっと短すぎる気がしました)、漫画の勢いに乗っていると気にならないんです。

うみねこのなく頃に」を思い出しましたね(EP1しかやっていないんですが💦)。あれも登場人物がとても多いのに一人ひとりが魅力的で、誰も死なないでほしいと心から願ったんですよね。結局全員死ぬんですが。笑
東京アンダーグラウンド」ではおそらく白龍以外は死んでいないです。少年ガンガンはやさしいですね。

個人的に特に好きなのはテイルと秋弦の関係ですね。
共依存を脱して、母の面影を断ち切ったテイルは格好良かったです。
きっとテイルは留美奈のまっすぐさに影響されて成長したんだと思います。

そう、その留美奈も格好良いですよね。
第12巻第69-70話、崇神戦の「ルリは笑いもすれば泣きもする! 一人の女の子に重荷背負わしてんじゃねーよ!!!」は震えました。
世界を救うために一人の少女あるいは少年を犠牲にしてよいのかというテーマはベタなんですけど、ぐっときます。

アニメ化もされたんですよね。
アニメは当時見られなくて……。
残念ながらNetflixなどでは配信されておらず、現在では見ることができないのが残念です。

懐かしいなと思われたかた、わたしのように再読されてみてはいかがでしょうか?

ブクログにも投稿しております。 https://booklog.jp/users/yulinyuletide/archives/1/4870253135