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Pokémon GOのAR写真とか。アニメの感想とか。たまに難しいことも。不思議ちゃんの新婚生活13年目@東京をまったり記録。

旅行前・中にぜひ! ハワイ旅行を描いた本3冊レビュー【よしもとばなな】【金原ひとみ】

ハワイ旅行に向けてテンションを上げるために買った、ハワイ旅行を描いた本3冊、まぼろしハワイよしもとばなな)・ゆめみるハワイよしもとばなな)・TRIP TRAP金原ひとみ)の感想です。
同じくハワイ旅行を計画している人に参考になるかもしれないのでご紹介します!

(ちなみに結局、わたしが本を読むのが遅いせいで、行き帰りの飛行機の中で読んだ『まぼろしハワイ』以外の2冊は帰国後に読むことになりましたw)

まぼろしハワイ

作:よしもとばなな 2007年(2010年文庫化) 幻冬舎文庫

まぼろしハワイ (幻冬舎文庫)

まぼろしハワイ (幻冬舎文庫)

中編小説3作(1作目と2作目はオアフ島、3作目はハワイ島が舞台です)。
さらっと読めるので行きの飛行機でさくっと読んでハワイへの期待を高めるのにちょうどよいと思います!
ハワイの情景や食事などの描写が具体的なのが旅情を誘います。

ただ、わたしは1作目・表題作の「ゆめみるハワイ」にはなかなか入り込めず。
フラダンスを見るだけでそんなに想像豊かに泣けるものなのでしょうか。

また、「みんな特に美しいわけでもかっこいいわけでもなく、単なる薄汚れた人間たちが集って浜辺でごろごろしているだけだ。ちっともすてきではないはずだ。でもこの島の魔法はそんなこと全てにきらきらした粉をかけてくれる。みんなすばらしい人で、世界は美しく、人生はよいものだと思わせてくれる。」(文庫版pp.104-105)といった感覚は、実際にハワイ旅行に行ってみても持てなかったです。ただの賑わった観光地にしかわたしには見えなくて、島の魔法ってなんだろうって。
わたしの感性が鈍っているだけかとも思いますが。現地の人との交流をほとんどしなかったのもあるかもしれません。あと、自然の中でのんびりする時間もあまり持たなかったんです。

でも、2作目・3作目は主人公の人生に起こった衝撃的な出来事の話(2作目は主人公の出生にまつわる話、3作目は小樽旅行の話)が興味深く、面白く読めました。

あと、3作目に出てくるハワイ島のものすごく大きいホテル(ホテルの中に電車や船が走っている)の描写が興味深かったです。自分が今回の旅行で行ったのはオアフ島のワイキキ近辺だけなので、今度はハワイの別の場所に行ってみたいなという気分にさせられました。

ゆめみるハワイ

作:よしもとばなな 2012年(2015年文庫化) 幻冬舎文庫

ゆめみるハワイ (幻冬舎文庫)

ゆめみるハワイ (幻冬舎文庫)

ハワイ旅行のエッセイですが、結局は作者と友人・家族のあいだの内輪話だと思ってしまいました……。
正直あまりおすすめできません。
作家さんの取材というお仕事とはいえ、何度もハワイに行けるお金と余裕があるのは羨ましかったです。笑

TRIP TRAP

作:金原ひとみ 2009年(2013年文庫化) 角川文庫

マユという女性を主人公にした短編連作小説。
6編のうち第1編を除いた5編が旅を題材としていて、第4編「Hawaii de Aloha」が夫と行くハワイ旅行の話です。ちなみに、行き先はホノルル・ワイキキではなく、マウイ島のハナという自然にあふれた小さな町です。
ハワイの話だけ読みたいという方の場合、第1編・第2編を飛ばして第3編「憂鬱のパリ」から読むと、夫との関係性がわかりやすく読めると思います。

金原ひとみといえば『蛇にピアス』が有名ですね。この本にもアングラな感じは多少ありますが、未成年飲酒・喫煙の描写などがあるだけで基本的に平和です。
特に、ハワイ旅行のくだりはとにかく楽しそうで安心して読めますよ。
大の大人がはしゃいでいるのも微笑ましく見守れる、そんな雰囲気です。

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以下ネタバレ注意!

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彼氏になかば監禁されながら生活していた不良少女が、章をまたいだ途端いきなり作家になって海外インタビューを受けているしおまけに結婚もしているのでびっくりします。作者の金原ひとみ氏の実体験が多少ベースになっているんですかね?

パリの牡蠣に当たった話は特に面白かったです。気の毒にも笑ってしまいました。

「Hawaii de Aloha」では、夫がハワイでは子どものようにはしゃいでいたのに帰国を前にして急に大人の男に戻ってしまって悲しくなった、というシーンが出てきます。なんとなく共感できて、こういう感覚を持つのは自分だけじゃないんだと慰められた気がしました。
ハワイのゆるやかにあたたかい空気の中で読んだら余計に切なくなりそうです。



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