『Cocco Live Tour 2016 “Adan Ballet”』追加記念公演
2016.10.11
来年3月21日にBlu-ray/DVDがリリース予定の、Cocco「アダンバレエ」ライブツアーの追加記念公演。
せっかく観に行ったので、もう2か月も経ってますが、ライブレポートをブログに書き留めておくことにしました。 *1
セットリスト
01.愛しい人
02.希望の光
03.樹海の糸
04.フレア
05.卯の花腐し
06.Sleeping Beauty
07.影踏み
08.椿姫
09.Rosheen
10.ひよこぶたのテーマPART2。
11.花も咲いたよな
12.強く儚い者たち
13.風化風葬
14.コスモロジー
15.楽園
16.すみれ色
17.BEAUTIFUL DAYS
18.眠れる森の王子様 ~春・夏・秋・冬~
19.蝶の舞う
20.有終の美
21.ひばり
01.愛しい人
アダンバレエツアーが始まった当初から、TwitterでCoccoさんファンによる感想をチェックしていたところ、どうやら今年のCoccoさんはいつにもまして声の調子が良いそうで。
その前評判通りに素晴らしい声の伸びが存分に伝わってきた1曲目。
「寒かないよ」のところが特にぐっときました。
02.希望の光
CD(2014年発売の『CoccoシングルCDスペシャルパンチ』に収録) で聴いたときは正直ピンとこなかった曲だったんですが、今回のライブでは素直に「すごい曲だ!」と感じることができました。迫力がヤバかったです。
プロモーションビデオで激ヤセした姿を見せた『絹ずれ』が2009年、体力的に短時間のライブしかできないということで「60分」と銘打たれたエメラルドツアーが2010年(結局は60分を大幅に超えていましたが)。
そして、『希望の光』のCD音源が録音されたのは、2011年。 声にギリギリ感があるのは、まだCoccoさんが痩せていた頃に録られたからなのかもしれません。
『絹ずれ』も今のCoccoさんが歌ったら、CD音源とは雰囲気が変わるかもしれませんね。
04.フレア
「フレア」の意味がわかってなかったんですが(太陽の炎のフレアかと思っていました)、曲の前にCoccoさんがスカートを翻してくるくる回ったのを見て、フレアスカートのフレアなのかもと気付きました。
二色使いの照明がきれいでした。黄色と紫とか。(もしかするとこの曲じゃなかったかもしれません^-^;)
05.卯の花腐し
こちらは雨のような照明が印象的。タイトルが卯の花腐し=五月雨ですものね。
07.影踏み
前半でもっとも激しかった曲だと思います。大サビのCoccoさんの声がすごかったです。CDで聴いているときはこんなに激しい曲だと思っていませんでした。
コマ送りのように見える照明が曲の激しさを盛り立てていました。
08.椿姫
『影踏み』が激しかったので、次がこの割とお気楽な曲で緩急ついてホッとしました。テンションが休まりました~。
「散り方さえも知らぬ技」はかなり高い音なのに実声でさらっと歌っててすごいなぁと思いました。さらっと、というところが。ここで気張ってしまうと曲の雰囲気を壊してしまうので。(プロの歌手に向かって歌が上手いと褒めるのも失礼ですが^-^;)
曲のラストで投げキッス。かわいい!
10.ひよこぶたのテーマPART2。
Coccoさんのリコーダーが……。
可愛ければなんでも許される、の実例を見ました。
13.風化風葬
『強く儚い者たち』に続いて活動休止前の名曲。
福岡ではこの曲を歌った後にCoccoさんが泣いてしまったそうです。『アダンバレエ』は「わたしはあなたを置いては行かない」というアルバムなのに、『風化風葬』はあなたを振り払って置いていってしまう曲なので(私見ですが)、辛くなっても無理はないのかもしれません。
16.すみれ色
前曲の『楽園』で沖縄戦や辺野古のムービーが流れたあとに「こんな僕から奪えるの?」「そんな嘘でも目を見るのね」と歌われると、どことなく政治性を感じてしまうんですが、わたしだけでしょうか……。
17.BEAUTIFUL DAYS
最もバンド隊の音圧が強かった曲。非常に声量と伸びのある今回のCoccoさんの声が呑み込まれるほど。
6月の 「CまでNight ♥ ワンツースリー」のときと同様に前へ前へと駆り立てるドラム。ただ、今回は『有終の美』のほうがより速さを感じたかもしれません。どちらの曲もライブならではの疾走感でした。
18.眠れる森の王子様 ~春・夏・秋・冬~
今回も来ました、眠れる森の王子様! もうライブの十八番と言ってもいいでしょう。
予想通り、ゴリゴリのギターから入るライブバージョン。いつものことながらCD音源(ピアノから入る)とは少し印象が違います。
Coccoさんが一か所歌詞を間違えてしまったのはご愛嬌ですねw
19.蝶の舞う
ライブ終盤で『眠れる~』→『蝶の舞う』の流れは、エメラルドツアーと全く同じ。2000年ツアーの『眠れる~』→『かがり火』の盛り上がりも思い起こさせます。ロックなCoccoさんが好きなわたしにはたまらない流れです。
「ひらかれてく」の高音はギャアアというシャウトに近く、圧巻。「細い祈り辿って」も細いシャウト気味の声。 CD音源よりも切実さが強く伝わってきます。ライブで化ける曲ですね。
20.有終の美
『有終の美』は「全然大丈夫じゃないんだけど、大丈夫って言ってしまう、そんな女に捧げる曲」だそうですが*2、今回の「胸張って行くよ」「私は大丈夫」は本当に自信満々に大丈夫そうに聞こえました。それはもう力強く。
このあとのMCで「いつも初詣ではみんなにいいことがありますようにと手を合わせていたけど、こないだ神社に行ったときはみんなにも自分にもいいことがありますようにと祈った。欲張りになりました」とおっしゃっていたので、そういった心境の変化が表れてたのでしょうか。
それとも、Coccoさんの「大丈夫じゃないのに大丈夫」という強がりが上手になってしまったんでしょうか。むむむ。
【全体的な感想】
今回のアダンバレエツアー、全通した熱烈なファンも多いようですが、わたしは体力的・金銭的な問題からひとつの公演に絞りました。
追加記念公演に参加することになったのは、NHKホールの抽選に外れたからなのですが(笑)、結果的にこの人見記念講堂での公演を観ることができて幸運だったと思います。
ひとつは、お客さんのマナーが全体的に良かったためです。
静かなシーンで咳払いや赤ちゃんの泣き声などがほとんど聞こえませんでしたし、曲の終わりの拍手が早すぎて余韻が損なわれるということもなかったと思います。 *3
また、ライブ中は椅子席から誰も立ち上がろうとせず、終演後は速やかに席を立ってくれた(アンコール待ちの拍手を続けることがなかった)のは、個人的には嬉しかったです(立ち続けると体力がもたないので……)。
もうひとつは、人見記念講堂でロックコンサートをやるという意外性が面白かったためです。
人見記念講堂って、クラシック音楽のコンサートで有名なホールだと思うんです。
しかもわたし、学生時代に所属していた合唱サークルの演奏会で人見記念講堂のステージに立ったことがあるので、「え、あんな舞台にドラムとかエレキギターとか並べられるの!? あそこの音響ってロック音楽にも向いてるの!?」ってびっくりしてしまって。
でも、実際に観に行ってみると、凄かったの一言です! Coccoさんらしい力強いロックを思う存分楽しませてもらいました!
あと、照明がバリエーション豊かでびっくりしました。クラシックコンサートでは照明が変わることはないので。
NHKホールでもなくオリックス劇場でもなくこの人見記念講堂にテレビカメラを入れてDVDにするということは、Coccoさんやスタッフの方々が自信作として一層の気合を入れて演奏・演出してくださったということですよね(*^-^*)
というわけで、来年3月発売のDVDでもう一度このライブが楽しめるのを心待ちにしています!
*1
ちなみに、6月の 「CまでNight ♥ ワンツースリー」 東京公演にも参加しましたが、こちらは直後にメモをとっておくのを忘れていたので、断念。記憶が新しいうちにメモしておかないとダメですね。
*2
http://ro69.jp/quick/rijfes2016/detail/146697
Cocco | ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2016 | クイックレポート | ロッキング・オンの音楽情報サイト RO69
*3
2018/12/5修正
ライブ・コンサート中の赤ちゃんの泣き声がマナー違反かは議論が分かれているので取り消します。
特に、アダンバレエツアーでは親子席が用意されており、主催者側が赤ちゃんを歓迎していたと考えられるので。
配慮や想像力が足りず、赤ちゃん連れのかたを傷つけるような物言いをしてしまい大変申し訳ございませんでした。