今年の七夕の短冊には、2つのお願いごとを書きました。
ふたつめは、
「じぶんで買った着物でもレンタルみたいにお店に脱ぎ捨てて帰りたいので、着付け・ヘアメイク・着物の保管のワンストップサービスのお店を作ってほしい!」
というものです。
かわいいなぁ、着てみたいなぁと思っても、着物はどうしても敷居が高いものです。
理由のひとつは、着付けが難しいから。
でも実は、着物って、着終わった後のお片付け・保管まで面倒なんです!!!
レンタルなら保管の手間はありませんが、好きなデザインが見つかるとは限りません。
自分で買った着物を預かってくれて、行けば着付け・ヘアメイクをしてくれて、お出かけが終わって帰ってきたらお洗濯と保管をしてくれる……
そんな、着物関係のぜんぶをおまかせできるお店が欲しい、そんなお願いです。
以下、もうちょっと詳しく書いてみます。
* * *
今年の夏もたくさんのアパレルショップや百貨店が浴衣を売りだしていますよね。
でも、花火大会デートやら屋形船女子会やら、何か大きなきっかけでもないと着るのが面倒だという人が大半でしょう。
着物はなぜ敷居が高いのか。ひとつは着付けが難しいからでしょう。
でも、きっとそれだけが理由ではありません。
なぜなら!
着物って、実は「後片付け」「お手入れ」も非常に面倒なんです!!!
夏なので、浴衣を着てお出かけして、楽しい一日が終わっておうちに帰ってきました。
次も浴衣をきれいに着るために、ここから後片付けの時間が始まります。
それでは、これからやることを並べてみましょう!(ポリエステル製の洗える浴衣の場合です。)
・お洗濯前の袖だたみ
・洗濯機でお洗濯
・着物用ハンガーか物干しざおに通して陰干し
・本だたみして保管
文字で書くとそんなもんかって感じですが、これ、洋服と比べるとめちゃめちゃ面倒なんですよ。
洗濯機で洗うところだけは洋服のおしゃれ着と変わりありませんが、浴衣の場合、お洗濯の前にも簡単にですがたたまないといけません。
折り目に沿って丁寧にたたんでから洗濯機に入れます。
次に、干し方。
浴衣は洋服と比べて面積が大きいですから、干すにもスペースが必要なんです。
「浴衣 干し方」でGoogle検索するとこんな感じです。けっこう大変そうじゃないですか?
最後にして最大の難関が「本だたみ」です。
シワを付けずにきれいに保管するために、正しいたたみ方をしなければ着物をしまうことはできません。
この本だたみ、手順が多いんですよ。こんな感じです。
これを折り目に沿って丁寧に、お洗濯前の袖だたみのときよりももっと丁寧に行わないといけません。
このリーフレットでは特筆されていませんが、首元の折り込み方なんかも気を使うんです。
そして、本だたみのハードルを上げている事情のひとつが、着物を平らに広げる清潔なスペースが必要であるということです。
昔はそんなに問題なかったと思うんですよ。
おうちに必ず和室(畳のお部屋)があって、毎晩ふとんを敷いて毎朝ふとんをたたんでいたので、そこに着物を広げられる広いスペースがあったんだと思います。
でも、現代のおうちにそんなデッドスペースはありませんよね? 特に独り暮らしのワンルームマンションなんて。
わたしはベッドの上でたたんでいますが、シングルベッドだと微妙に幅が足りなくて……。
洋服と比べて、タンスにしまうだけでもこんなに手間がかかるわけです。
多くの場合、休日は土曜日と日曜日の2日間しかありません。
せっかく着物でお出かけを楽しんでも、残り少ないお休みのあいだにお洗濯やら本だたみやらを済ませなきゃいけないと思うと……。
憂鬱ですよね?
* * *
さて、着物を着た後のお手入れがそんなにも面倒なら、着物レンタルを使えばいいじゃないか、とおっしゃるかたもいるでしょう。
ごもっともです。
着物レンタルのいいところは、予約してお店に行くだけで済むところです。
自分では何もする必要がありません。
着付けもしてもらえるし、返した後は洗うのもたたむのもお店の人におまかせ。*2
すごーく気楽です。
でも、レンタルの場合、必ずしも気に入った着物があるとは限らないんですよね。
特に、個性的なデザインのものはあまり置いていない印象があります。
万人受けするデザインでないと、需要が少なくて元手が取れないのかもしれませんね。
* * *
そこで、じぶんだけの着物(買った着物)の着付け・ヘアメイク・保管のワンストップサービスが欲しいのです!
いままで着物レンタルと着付けだけをやっていたお店が、「お客様が自分で買った着物を保管するサービス」も手がけるようになる、というイメージでしょうか。
着物屋さんで自分の気に入った着物を探して、買ったら、着物ワンストップサービスのお店に持ち込んで保管してもらう。
その着物が着たくなったら、着物ワンストップサービスのお店に予約を入れる。
当日お店に行って、着付け・ヘアメイクをしてもらってお出かけして楽しんで、帰りにお店に戻って着物を脱いだら、それで終わり!
脱いだら終わり! なんて楽ちんなんでしょう!
購入とレンタルのいいとこどりって感じです。
また、保管料が無駄にならないようにたくさん着物を着なきゃ、というインセンティブも生まれるかもしれませんね。
あと、合わせる小物(髪飾り、帯揚げ、帯締め、帯留め、バッグ、下駄など)は都度好きなものをレンタルできるとしたら、同じ着物でもいろんなコーディネートが楽しめますよね。
トータル料金は、着物の購入費が含まれるので、ふつうのレンタル着物より高くなるでしょう。
でも、自分好みの着物が楽しめる&着れば着るだけお得になるとしたら、需要はあるのではないでしょうか!?
* * *
*1 「きもの きよう。 気軽に着物に親しんでほしい着物はじめBOOK。」 発行:京都丸紅株式会社 2006年5月2日 18ページより
わたしが和風館ICHIというお店で浴衣を購入したときにもらったリーフレットです。
*2 郵送返却の場合は自分でたたむ必要があることも。