ベトナム戦争映画では有名なものではないでしょうか。
この夏休みに思い立つまで、わたしはあまり映画を観るほうではなく、特に人が大勢死んでしまうようなアクション映画や戦争映画はほとんど観てこなかったんですが、なんでこれを観たかといえば…
テーマ曲のサミュエル・バーバーの『弦楽のためのアダージョ』、これに歌詞をつけた"Agnus Dei"という合唱曲をサークルで歌っているからなのです。
この曲が戦争映画のBGMに使われるのは、作曲家のバーバー自身が意図したことではないらしいのですが(ソースがWikipediaなのでなんともいえませんけど)。
観てみた感想は、
本当に怖かったです。としか言えません。
戦場なんて今まで想像できなかったです。こんなにも厳しいんだ、とハラハラしていました。
DVDを借りたので、『ドキュメンタリー:『プラトーン』の記憶』という番組が特典でついてきたのですね。
この番組によると、俳優さんたちは実際にフィリピンに行って、厳しい環境の下で歩兵訓練をしてきたのだそうです(しかも1986年、フィリピンの二月革命真っ最中!)。
だからリアリティを感じさせるのでしょう。
そして、こんなに簡単に人が死ぬのが怖いです。人を殺すことが正当化される戦争、って何なんだろうと思いました。
今まで活発に動いていた主要キャラクターのアメリカ兵たちがひとりひとり死んでいくのももちろん辛かったです。でも、"名も無い"ベトナムの村民やベトコンの兵士らだって、アメリカ兵たちと同じように人生の物語があったはずなのに…… こんなにも軽々しく亡くなってしまうんですね。
ベトナムの村の武器を持たないおばあさんを殺した隊長が悪役として描かれていましたが、じゃあなんで兵士だったら殺しても罪じゃないんですか、って、素朴に思ってしまうんです。
とてもセンチメンタルな気分ですよ。 自分でもどうかと思うくらいに(^-^;
ちょっと冷静になって振り返ってみると、
起承転結がはっきりしていてドラマチックで良い映画なんじゃないかと思います。
でも、悪役の隊長さんがもっと凄い悪役ぶり・超人的な戦士ぶりを見せてくれたら、感じるものが違ったんじゃないかと思います。彼が何度も厳しい戦場を生き抜いてきているっていうことをもっと示してくれたら、彼の狂気に説得力がより感じられたのではないかと。
これからもまだ"Agnus Dei"の合唱の練習は続きます。
その際、わたし独りで『プラトーン』の情景にこだわることはできませんが、……この映画を見てしまった以上、映画のシーンが自然に歌に浮かんでくるようになってしまうような気がします。それくらいの印象を受けました。
観たのは良し悪しでした、この意味では(>_<)