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Pokémon GOのAR写真とか。アニメの感想とか。たまに難しいことも。不思議ちゃんの新婚生活13年目@東京をまったり記録。

空の写真。

The Bird 出版記念写真展の写真展に行ってまいりました。今日の5時半頃、ELMさんとふたりで。

 

わたしはCoccoというアーティストのファンなのですが。

"The Bird"とは、そのこっこさんと親交のあるミュージシャンのnanacoさんという方が撮影なさったCD付き写真集です。

その写真集にはこっこさんの絵(素人目から見ても、本当に作りこんである美しい絵だと思います)が載っているので、注目していたのですが。5000円近くしますし、付属のCDにもCoccoさんの音楽はあまりないとのことでしたので、買う気はありませんでした。でも、写真展には"The Bird"に収められている写真が展示されているし、入場無料なので(笑)、本日行ってくることにしたわけです。

 

 

ネットでの前評判があまりよくなかったこともあり、ほとんど期待していなかったのですが、実際に足を運んでみて、

……やはりあまり感動できませんでした。

Coccoさんの絵の写真、少年の写真、空の写真。その絵から伝わってくるものを感じ取ろうともしたのですが、知らない少年の映ったほの暗い写真は、恐ろしいほど無表情でした。

 

昨年同じ場所で開かれた"南の島の恋の歌"の原画展では、多くの人がこっこさんの絵に見入っていましたが、今日は人もまばら。むしろ、初めはわたしたちふたりしかいなかったと思います。

 

 

早々に退散しようと思って会場内ショップの絵葉書を物色していると、3人ほどの女性連れが現れました。すると、その中の一人が首から下げたカメラで、何のためらいも無く、会場を撮影しているではありませんか。さすがに著作権に触れるだろうと思ってはらはらしていたのですが、会場の係員さんからはなんのお咎めも無く。

 

ELMさんが、あれ本人じゃない?とわたしに声をかけてきました。まさか、と思いましたが、恐る恐る彼女に近づいてみると、彼女は「どうも」と微笑みました。

 

あらら、まさか、みたいです。

 

 

思い切って話しかけてみると、やはりnanacoさんでした。写真のモデルの少年(nanacoさんの息子さん)も傍にいました。とても背の高い少年です。

 

ゆるやかなウエーブのかかった長い髪の女性。あたたかい声。

会場から出る前にもう一度彼女に話しかけ、握手を求めると、その手はとても柔らかかった。

 

 

初め、nanacoさんは「どう思いますか? 気持ちよくなっていただければよいのですけれど。」とお聞きになりました。……わたしは当然戸惑ってしまいます。だって、あまり感動できないんですなんてご本人に言えません!

 

しかたないので、写真展をくるりと見渡してから思いついた一言。「空の中にいるみたいです。」

 

言葉の魔力は怖い。わたしは、本当に空の中にいるような気分に陥りました。nanacoさんはずっと微笑んでおられました。

「この写真、東京の空なんですか。…東京の空って、きれいですね」

「そうですね、きれいですよね」

 

わたしは本当にどきどきしていました。こんなに緊張したのは、いつ以来でしょう? そして、なぜこれほどまでに緊張しているのかもわかりません。たぶん、いまも。

帰り際、nanacoさんと握手をしながら、わたしは極度の緊張状態のまま、言葉を並べ立てていました。整理なんてつくはずもなく。

 

こっこさんにがんばってっくださいってつたえてください」

 

活動中止以前のこっこさんには、わたしは頑張ってくださいとは言えなかったでしょう。(もっとも、その頃のわたしはCoccoのファンではなかったのですが)

でも、SINGER SONGERとして精力的な活動を始めた今のこっこさんには、がんばってくださいという言葉を言っても受け止めてくれるのではないかという気がしました。

 

もしも、nanacoさんがわたしの「がんばってください」という気持ちを伝えてくれたなら、……それだけで、たとえ自己満足に過ぎなくても、胸が一杯になるのです。