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Pokémon GOのAR写真とか。アニメの感想とか。たまに難しいことも。不思議ちゃんの新婚生活13年目@東京をまったり記録。

同性婚のリアル (ポプラ新書)レビュー

(078)同性婚のリアル (ポプラ新書) 新書 – 2016/2/1*1のレビューです。

(078)同性婚のリアル (ポプラ新書)

(078)同性婚のリアル (ポプラ新書)

対談形式でとても読みやすい本です。LGBTダイバーシティに関心のあるかたはぜひ(ただし、トランスジェンダー(T)については記述がありません)。

筆者たち(レズビアンカップル)がいつ自分のセクシュアリティに気づいたかといった個人的な体験談が多く載っていて、一般論だけ知りたいと思う人には長々しいと感じられてしまうかもしれません。
ですが、わたしにはまさに「リアル」、同性愛の方々が自分の周りに自分と同じように今を生きていることが感じられて、よかったです。

最も勉強になったのは、なぜ職場へのカミングアウトが必要なのかという話です。
わたしは今まで、自分は同性異性どちらが好きかという極めて個人的な問題を、なぜ職場に把握してもらう必要があるのかわかっていませんでした。
本書でも「LGBTが職場でカミングアウトして安心して働けることは、労働生産性の観点からも非常に重要であるにもかかわらず、いまだに職場でカミングアウトすると、『何もそんなプライベートなことをわざわざ話さなくても』と言われてしまいがちです。」と指摘されています(p.38)。

本書では、ゲイ・レズビアンが職場でカミングアウトしていない場合に起こりうる辛いこととして、

  • レズビアンカップルが子どもを授かった場合、産んでいないほうが職場でカミングアウトしていないと、子どもが急に熱を出しても、会社では自分の子どもということになっていないので、早退したり休んだりしづらいこと。育休をとるのも難しいこと。(pp.123-125)
  • 飲み会などで他愛ない会話をしているときに、「オネエって気持ち悪いよな?」「結婚しないのか?」「彼女はいるのか? いないのか?」という会話があるとつらいこと。(p.145)

が挙げられていました。

また、性的な話も隠さず載っており、興味深かったです。
たとえば、レズビアンカップルがどうやって子どもを持つのかについて具体的な手法の描写があり、思っていたよりずっとシンプルで驚きました。
ゲイとレズビアンでセックス観に相違点や共通点があるという説明もありました。
本書を読めば、実際にLGBTのかたとお会いした時に下種な好奇心のままにいきなり性的なことを聞くなどという大変失礼なことをしてしまうことはなくなると思います。



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