3月、東京は花粉症真っ盛りですね。
自分を励ますためにお花屋さんでチューリップを買ってきました!
おとといから始まったMiitomoにハマったので、じぶんのMiiと一緒に撮ってみました~。
さて。
3月のチューリップと言えば、子どもの頃に読んだ『クレヨン王国 シルバー王妃花の旅』*1を思い出します。
3年ほど前に亡くなられた福永令三先生が書かれた児童文学『クレヨン王国』シリーズの一冊です。アニメ『夢のクレヨン王国』でご存知のかたもいるかもしれませんね。
『花の旅』の冒頭、クレヨン王国は、新花札を作ることになりました。
松、梅、藤などもともとの花札に描かれていた花は桜を除いて一新されることに。新しい花は大臣たちが閣議で決めます。
クレヨン王国の大臣は、16色のクレヨンです。赤、だいだい、黄、きみどり、みどり、水色、青、むらさき、ピンク、はだ色、黄土色、茶、こげ茶、黒、灰色、白。
それぞれ、自分の色の花を花札に入れたいと思っています。
12の月に、16色のクレヨン大臣。
熾烈な椅子取りゲーム、壮絶な駆け引きの始まりです。
大臣のとる戦法はさまざまです。
数打ちゃ当たるだったり、狙いを定めて手堅く仲間を集めたり、意外性で票集めを狙ったり。
小学校の児童会の選挙なんかよりもずっと政治らしさを感じて、面白かったです。
けんけんがくがくの討議のすえ、1月はきみどり大臣と黄土色大臣(タケノコの色です)の推す竹に決まり、2月は茶色大臣のつくしに決まりました。
そして、3月は赤色大臣のチューリップなんですが、
このときの赤色大臣の演説がすごいんですよ!
むらさき大臣がスミレ、黄色大臣がタンポポ、白の大臣がユキヤナギを推すなかで、彼は立ち上がります。
「わたしもここで立候補しておかなければならない。
わが赤組の選手は、すなわちチューリップだ。老いもわかきも知名度ナンバーワンのチューリップです。そのむかし、オランダでは、この球根一つがビール工場全体と交換されたといわれる高貴な花チューリップです。赤のすべてをふくむ何十種もの赤の美しさをひめたチューリップとあらそう自信がありますか、あなたがた。」
(pp.37-38)
他の大臣をばっさりと戦意喪失させる、圧倒的なこの語り。多様な価値観を是とするこの現代社会において、自分の信念を揺るがさず、こうも高らかに謳うことができるとは。
これを聞いて、他の3人の大臣は次々辞退してしまいました。
16の大臣のなかでも正攻法を貫いた赤色大臣のことは、子供心にも印象に残ったものです。
(最近の日本の政治家の演説は…… おっと、どなたか来られたようですね)
ということで、3月がチューリップなのは、福永先生のお墨付きなんです。みんなでたくさんチューリップを愛でましょう。
* * *
ちなみに、日本でチューリップの産地と言えば、富山県みたいです。
富山にはチューリップテレビというテレビ局もあります。可愛いようなダサいような……いえ、なんでもございません。
わたし、JRの駅に貼ってある旅行の広告写真が好きなんです。
早春の河津桜とか、
*2
秋の京都の紅葉とか。
*3
きれいですよね。
北陸新幹線が開通して(今週の月曜日で一周年だったそうです!)、
東京にももっと北陸の広告写真が出回るようになるかな、
そしたら富山のチューリップの写真もあるかな、
とちょっと期待してました。
というのも、自分ではチューリップの写真がうまく撮れないので……
が、今のところ見つけられていません。ざんねん。
JRに選ばれるプロが撮った渾身のポスターはどうなるか、観られたら嬉しいなぁって思います。
*1
「クレヨン王国 シルバー王妃花の旅 (講談社 青い鳥文庫)」(講談社,1994年)。
ページ数は「クレヨン王国シルバー王妃花の旅―クレヨン王国シリーズ〈9〉 (児童文学創作シリーズ)」(講談社,1997年再刊)から。
*2
「ポスターギャラリー|JR東日本 伊豆・箱根・湯河原 温泉いっぱい花いっぱい」(http://www.jrizu.jp/train/archives.html)より「2016年【早春】早咲きの桜を楽しむ旅へ 河津桜まつり【河津町】」(http://www.jrizu.jp/train/images/archives/s_poster_22.jpg)。
*3
「年代から見る|「そうだ 京都、行こう。」ポスターギャラリー|そうだ 京都、行こう。~京都への旅行、観光スポットで京都遊び~」(http://souda-kyoto.jp/campaign/archives.html)より「2014年【盛秋】源光庵」(http://souda-kyoto.jp/campaign/img/archives/2014_autumn_thum.jpg)。