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Pokémon GOのAR写真とか。アニメの感想とか。たまに難しいことも。不思議ちゃんの新婚生活13年目@東京をまったり記録。

沙羅の花と妙心寺のおもいでばなし。

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鶴屋吉信で「沙羅の花」というお菓子を買ってきました。7月末までで終わってしまうそうなので、本日限りということ。ご紹介するのが遅かったですね(´A`。)
添えている扇子のお花ももちろん沙羅の花ですよ~

ういろうで花びらを、きんとんでおしべとめしべをかたどっています。
中身はつぶあん
なので、ういろうのもちもち感、きんとんのほんわか感、小豆の皮のつるっとした感じ、といった色んな食感がひとくちで楽しめます。
沙羅双樹の花の色 盛者必衰の理をあらわす”と平家物語の冒頭にあるように、沙羅はひとの世のはかなさを表す花とされています。
でも、どんなに儚いとしても、ひとはその一生のなかでもがいてあがいて色んな味わいを噛みしめるんだよなぁ……
と、この和菓子をゆっくりいただきながら、勝手な深読みをしていたのでした。


さて、この「沙羅の花」、鶴屋吉信では文月のお菓子として提供されていましたが、ほのかには6月のお花というイメージがあります。

仏教に出てくるホンモノの沙羅双樹の花は日本では育たないらしく、日本では古くから「なつつばき」のお花が沙羅の花として愛されてきたのだそうです。
この「なつつばき」、東京でも街路樹や庭木として植えられていることがあり、今年の6月にも、そこかしこで目にすることができました。冬の椿よりもひとまわり小さな白いお花が涼やかなんですよ。

でも、ほのかがいちばん印象に残っているのは、京都の妙心寺東林院で拝観した、「沙羅の花を愛でる会」のなつつばきのお花です。
(ちなみに、「沙羅の花を愛でる会」が催されるのもやっぱり6月です(^-^;)

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写真を見ていただけるとわかるでしょうか?
「つばき」と名付けられているとおり、沙羅(なつつばき)の花は、お花そのままの形と色を保って落ちるのです。
木に咲いているお花たちももちろん愛らしいのですけれど、静謐なお庭に点々と落ちているお花たちのほうにわたしは目を奪われました。

このお庭の様子を見て、ほのかは初めて、なつつばきのお花が“盛者必衰の理をあらわす”と言われるようになった理由が腑に落ちました。
街路樹として植わっているなつつばきでは、落ちたお花がすぐに踏まれたり飛んで行ったりしてしまいますから、わからなかったんですね。

清水寺のように観光地として有名すぎるお寺ではないので、休日に行っても人混みで溢れているということもなく、30分ほど飽かずにお庭を眺めさせていただいたのを覚えています。時間がゆっくり流れているんですよ。

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抹茶とお菓子付きでひとり1,580円。お寺の拝観料としては割高かなと思われるかもしれませんが、お抹茶とお菓子(もちろん、沙羅の花をかたどっています!)が非常においしいので、損はありません。

わたしが訪問したのは2010年のことですが、毎年開催されているようなので、ご興味があってなおかつ6月後半に京都に行くことのできるかたは、ぜひ訪れてみてください!