階段の上に 少女は立っている、
淡く白く、青に縁取られて。
たそがれどき。雲に融けていた三日月が やがて浮かび上がる頃。
("...people keep a-comin' an' de train done gone")
階段の上に少女は立っている、
淡い白い服を着て、青いリボンを腕から流して
階段の上に少女は立っている、
淡い白いドレスを着て、夜の色を解かしたリボンを腕から流して、
腰まで届く黒い髪を どこからか吹く風に揺らしたままにして
("...what did she name him")
階段の上に少女は立っている、
後ろの窓から差し込む夕日にほのかにあかく彩られ、
白いドレスを着て、夜の色を解かしたリボンを腕から流して、
腰まで届く黒い髪を どこからか吹く風に揺らしたままにして
階段の上に少女は立っている、
後ろの窓から差し込む夕日にほのかにあかく彩られ、
あの頬はきっといつもよりもやわらかく、
白いドレスを着て、夜の色を解かしたリボンを腕から流して、
腰まで届く黒い髪を どこからか吹く風に揺らしたままにして
気がつけば私は階段の下で少女を見上げていた
夕日は私の目を射すから いつだって君の姿は淡いままだ
気がつけば私は窓へ手を差し伸べていた
夕日は私の目を射すから いつだって声しか君は残さない
("...born in a stable")
階段の上に少女は立っている、
後ろの窓から差し込む夕日にほのかにあかく彩られ、
あの頬はきっといつもよりもやわらかく、
一度だけ触れたあの唇は きっといつもよりもやわらかく、
白いドレスを着て、夜の色を解かしたリボンを腕から流して、
腰まで届く黒い髪を どこからか吹く風に揺らしたままにして、
それは何かを唱えて震えていて、
きっとそれは歌い古した少女の望みとやらだった。
("...stars keep a-shinin'")
階段の上に 少女は立っている、
淡く白く、青に縁取られて、
沈み行く日は靄の中に消えて、
("...and de train done gone")
――朝靄の中に消えて。
君の諦めた歌を未だ私は追いかけている、
とうに、そうすることでしか、
君を愛する術なんて、無い。
今日もまた、暁に戯れる夢の、続き。
沈み行く夕日の夢の、続き。
("and de traine done gone...gone...")