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Pokémon GOのAR写真とか。アニメの感想とか。たまに難しいことも。不思議ちゃんの新婚生活13年目@東京をまったり記録。

日本語教育能力検定試験、子無しアラフォー主婦が91時間独学で合格体験記

このたび私ことゆーりんは令和3年度日本語教育能力検定試験に合格いたしました!

日本語教育能力検定試験とは、「日本語教育能力検定試験は、日本語教員となるために学習している方、日本語教育に携わっている方に必要とされる基礎的な知識・能力を検定することを目的とし」た試験です。*1

わたしはもともと日本語教師を目指していたわけではないのですが、7月半ばに知人からこの試験について紹介を受けたのをきっかけに、受けることを決めました。
体調の問題で今すぐ日本語教師の仕事に就けるかどうかは微妙だったのですが、とりあえず最低限の資格くらいはとっておいて損はないだろう、ということで。

結果、一度目のチャレンジで合格できたので、簡単ですが、子無しアラフォー主婦による合格体験記をまとめてみました!

使ったのは赤本と過去問3年分とネットのみ

日本語教師になるには、大学・大学院の日本語教育選考で学ぶほか、420時間の講座を受ける道もあるそうなのですが、わたしは初学者でありながらも完全独学で日本語教育能力検定試験に合格することができました。*2

勉強に使った本は、「日本語教育教科書 日本語教育能力検定試験 完全攻略ガイド 第5版(著:ヒューマンアカデミー 2021/2/19)」(通称:赤本)と、過去問3年分(令和2年度・令和元年度・平成30年度)のみです。

本のほかに、ネットの無料記事も使っています。
赤本でわからなかったところは適宜検索しました。
特に比喩(メタファー(隠喩)・メトニミー(換喩)・シネクドキー(提喩))、訂正フィードバックの方法(リキャスト・プロンプト)あたりは、赤本だけでは理解が不足してしまっていたと思います。

過去問を解いた後には、過去問解説の記事にお世話になりました。
無料でこんなに役に立つ記事を読ませてもらってよいのかと恐縮しきりです。

ちなみに費用は、
受験料 14,500円
赤本 3,520円
過去問 1,540円×3
あと、受験料の振込手数料と願書の郵送費(特定記録郵便)で数百円ずつかかっているので、合計23,000円ほどですね。

TOEICよりはかなり高いですが、TOEFLほどではない、というところですね。

総勉強時間は約91時間

費用と並んで気になるのが、合格に必要な勉強時間だと思います。

7月半ばに受験を決意し、試験日は10月24日。
勉強期間は約3か月間ですね。

このうち実際に日本語教育能力検定試験の勉強に費やしたのは、

7月:4時間20分
8月:33時間
9月:23時間15分
10月:30時間20分
計90時間55分

でした!

ちなみに、知人からは「100時間くらい勉強すれば合格可能」と言われていました。
100時間には少し足りなかったですが、おおむね知人の言葉通りと言えるでしょう。

ただ、自分で言うのもなんですが、わたしは学生時代からペーパーテストが得意なほうなのです。
誰でも100時間で合格できるというわけではないかもしれません。
420時間の講座が用意されているくらいですからね。

勉強スケジュール:赤本1周してから過去問へ

各月ごとに何をしたのかを簡単にまとめてみると、

7月:赤本を読む(1周目)
8月:赤本を読む(1周目続き)
9月:過去問(令和2年度)を解いて解説チェック、赤本の音声分野を復習、統計関係まとめ
10月:赤本を読む(2周目)、過去問(令和元年度・平成30年度)を解いて解説チェック

という感じです。

9月の統計関係まとめとは、国際交流基金の「海外日本語教育機関調査」などの試験によく出る統計から重要箇所を拾ってメモを作ったというものです。
海外日本語教育機関調査(最新のものは2018年度)で言えば、海外の日本語学習者数が385万人で、国別では1位が中国、2位がインドネシア、3位が韓国、などとまとめていきます。
赤本やネットの記事にも統計関係の記述はあるのですが、きちんとおおもとの統計(ネットで見られます)を見に行ってまとめたのがポイントです。
この統計関係まとめは、試験当日、試験1と試験3の前に見直して丸暗記しました。

特に難しかったのは音声分野

わたしが特に難しく感じ、時間をかけて学んだのは音声分野でした。
調音点やら調音法やら、意識したのは初めてです。

音声を聞いて、学習者の誤った発音(例:しつこい→しチュこい)の特徴を選択肢から選ぶといった問題が出題されるのですが、赤本に載っていた練習問題を初めに解いた時には、CDの音声がぽんぽんと次の問題に進んでいくので、「こんなスピードで問題が解けるか!」とペンを投げそうになりました。
最初に解いた令和2年度の過去問でも、試験2(聴解問題)は40点満点中22点とボロボロ。
ツ→チュなどの試験によく出る誤った発音については、一瞬で「誤りの種類は調音点!」と出てくるように、何度も赤本を読み直して頭に叩き込みました。

赤本で音声分野が取り上げられるのは第6章なのですが、第1章から愚直に読み進めるのではなく、音声分野を初めに勉強してもよかったかもしれません。
理解や暗記に特に時間がかかったので。



以上、簡単な合格体験記でした。
来年度の試験からは出題範囲が少し変わるそうですが、出題形式などが大幅に変わるわけではないようなので、ご参考になれば幸いです。

*1:JEES 日本語教育能力検定試験ホーム http://www.jees.or.jp/jltct/

*2:ちなみに、大学では法学を学んでおり日本語教育については門外漢なのですが、1-2コマだけ言語学の授業を入れており、ソシュールの名前ぐらいは知っていました。そういうわけでは完全な初学者とは言えないかもしれません