AI vs. 教科書が読めない子どもたち 単行本 – 2018/2/2 新井 紀子(著)*1のレビューです。
生成AI登場(2022年11月にChatGPT公開)以前の古い本(2018年発行)ですので、AIが東大に合格する日はやって来ないと断定しています。が、2025年4月には生成AIが東大に合格できる学力を身につけたことはご存じの通りです(米中の新型AIが東京大学理科三類「合格」 英語で強み、数学は苦戦 - 日本経済新聞 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC198VI0Z10C25A3000000/ 2025年4月5日)。
というわけで、AIに関する記述は古い本です。が、AIには意味が理解できない、理解できるのは論理・確率・統計だけ、という本書の中心的な主張は今も変わらず正しいことと思います。
また、「教科書が読めない子どもたち」、つまり基礎的読解力が身についていない子どもたちが多くいる問題については、この7年で状況が大きく変わったとは言えないでしょう。
ですから、全国読解力調査について記述された第3章は、今でも十分に読む価値があるはずです。
本書の著者は誠実なので、基礎的読解力を上げる因子(生活習慣、学習習慣、読書週間など)はアンケートからはわからなかった、と正直に述べています。
それに、「AI恐慌」(AIにはできない仕事ができる人材が不足するために起こる失業の増加、大恐慌)の回避策についても、世の中の「困ったこと」を見つけて起業すること、という楽観的な提案しかしていません。
不安を煽られるだけ煽られて放置されてしまう感は否めませんが、AI時代に対して適切な危機感を持つために読むべき1冊だと思います。
生成AIの意義と限界について、本書と同じ程度の難易度で書かれた本があれば、ぜひご教示くださいませ。本書の著者は、これ以降読解力についての著書しか出されていないようです。
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