恋がするものじゃなく
落ちるものなら
きっと 哲学とやらも
同じなんだろ。
どうせ見えない。
どうせ届かない。
あなたのゆく闇路を
それでも辿っている。
愚か者の
放つ蛍が
仄かにでも
あなたの道を照らすように。
問わずにはいられない
愛とは何か。
祈るだけじゃ足りない
あふれる祈り。
蛍の瀬も
淀んでは流れ――
燈した灯かりだけ
顧みられればいい。
降りつづいた雨の後になら
今こそ匂いたつ
花の香を浮かばせて。
"思ふとも恋ふとも言はじくちなしの色に衣を染めてこそ着め"
馬鹿なわたしの
放つ蛍が
仄かにでも
あなたの道を照らせよ――と。